LYRIC

七番倉庫(北側)

年老いた男は背中を丸めて、
次の連絡船を待つ。
ひとりの仕事は気兼ねはないけれど、
そのかわり不愛想になったとは思う。

波止場はいつものように穏やかで、
朝靄はすでに晴れた。
重たい積荷を抱えて背負うとき、
またほんの少し、汗がにじんだ。

男手ひとつで手塩にかけて、
育てあげてきた息子が、
大きな罪を犯してしまってから
この先の人生が変わり果てた。

過ちは取り返しがつくはずもなく、
誰にもすがれないまま、
どれほどの月日が過ぎていったのかは、
我が身の衰えが、すべてを語る。

人が人を殺めて、人が人を裁いて、
それでも無情に朝が来る。
そういう時代に生まれて生きている。
残された歳月を、償いにかえて。

七番倉庫は取り壊される、
もう、明日には、ここに来ない。
もしも許してもらえるなら、今夜は、
飲めない酒をあおろう。
そして思い切り、泣こう。

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