LYRIC

酒場のローズマリー

星が斜めに傾く季節が、くると
思い出すのは無邪気なあのむすめ
 歳の頃はたぶん、おそらく
 生きていれば、まだ二十歳
 それこそあの娘はローズマリー
 酒場の恋人

男どもの求愛は毎夜のごとく
彼女目当ての客も後を絶たず
 持ち前の笑顔と美貌と愛敬で
 サイフの中をカラにさせて
 魅とれるほどの立ち振る舞いに
 誰もが恋した

  あのつまらぬ諍いに
  巻き込まれてしまったのか
  この国の政治が、慌ただしくなければ
  野蛮な目にあわずにすんだのに

別の人になりすましては名前も伏せて
身の上を隠しながら暮らしてる
 風の噂はどこに吹いている
 逃れる道、希望の道
 かよわき乙女の行く末に
 光を与え給え

面影を残したまま今夜も、また
店のランプにオレンジの灯がともる
 ソファにほのかな香水の匂い
 芳しく揺れて漂い
 まさしく野に咲くローズマリー
 酒場の恋人

「想い出」という花言葉、そのままに
今も何処かで綺麗に咲いている
 もしもフラリと戻ってきたなら
 両手をひろげて「お帰り」と
 迎えてあげようローズマリー
 酒場の恋人

 まさしく野に咲くローズマリー
 酒場の恋人

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