汽車はレールをきしませながら東から西へ
僕の身体と荷物と不安とお金を乗せて
何が待ち受けているのだろう どんな大人に出会うのだろう
肌の色が違うってことを どれだけの人が許すのだろう
車窓の 景色が過ぎてゆく
僕だけの夢の行く先
絵本のように鮮やかできれいな都会の街では
なぜだか人々の顔がどれも同じに見える
この世でどんな生き方をして 誰のために何ができるのか
小さな嘘を僕はこれから どれほど覚えてしまうのだろう
かすかに 風が通り抜けた
僕だけの夢の行く先
母からもらった書物には、僕らにまつわる歴史が記され、
遠い世界から連れてこられた人々だったと書かれていた。
長いあいだ苦しみに耐え、自由に町も出歩けず、
歯並びや身体つきで値踏みされ、戦までも巻き起こり、
やがて牧師や宣教師や活動家や指導者のあとに続き、
僕らの祖先は自由を手にするために行進した。
僕にとっての自由とは、踊ることしかないけれど
それが世の中を目覚めさせるとは、今は、言い切れない。
それでも、踊るために、僕は、旅に出ることにしたんだ。
口先だけで不平不満をひけらかす大人にはなりたくない。
あぁ、なりたくない。あぁ・・・・。
汽車はレールをきしませながら東から西へ
僕の身体と荷物と不安とお金を乗せて
汽車はレールをきしませながら東から西へ
僕の身体と荷物と不安とお金を乗せて
いつの日か 僕は踊るよ いつの日か 目覚めてもらうために
いつの日か いつの日か