LYRIC

歌うたいの涙

歌うたいの涙は 人知れず 流される
まわりの誰からも 気付かれないように流される

裏舞台の隅では 踊り子が夢を見る
道化師が騒いで にぎやかな時が過ぎる

 旅芸人の暮らしは はかない恋のように
 しがないこと ばかり繰り返される 毎日

芝居小屋の窓から 見渡せる景色さえ
うたかたの流した 涙で曇りはじめる

 朝の光とともに 汽車に乗り込もう
 移りゆく季節の中 あの町 この町

歌うたいの涙が 喜びに変わるのは
その歌を誰かが
どこかでそっと 口ずさみ
ほほえむ時

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