LYRIC

七番倉庫(南側)

会わなくなってから何年か経つけれど、
その後どうだい?どんな感じだい?
オレはすこぶるイイ調子でやれてる、
毎日がいい具合に、上手いこといってる。

新しいビジネスが大当たりし始めて、
急に羽振りがよくなった。
カネがやたらとフトコロに入るのさ。
まぁそれも贅沢な、悩みではあるけど。

今ではそこそこ名前も知れ渡り、
でかい取引もこなした。
おかげで女に囲まれたりもして、
それなりに楽しんで、いい思いをしてる。

もちろん憧れの車も手に入れた。
あの52年のモデル。
広く豪勢な部屋も買い上げたし、
それは夢のような、暮らしに変わった。

おまえは優しい女だから今も、
つつましく暮らしているんだろう。
思いつめるクセがあるからたまには、
派手に遊んだり、してみればいいのに。

七番倉庫が取り壊されるよ、
オレ達の思い出の場所。
あそこで出会い、そしていつしかやがて、
おまえは出て行った。何も言わずに。

カネの話も女も車も、
そうさ、全部、全部、ウソさ。
いまだにボロ家で淋しく暮らしてる。
おまえさえ良ければ、戻ってきておくれよ。

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